強押し・強もみマッサージは逆効果!?身体に超悪影響ですよ
どうも!フリーランス整体師のしみです!
よくマッサージやほぐしのお店にて
「強く押してください。弱いと効かないので」
って言う人いますよね?
実際に言った経験のある方もいるのではないでしょうか。ぼくは施術する側なので、言われることの多いこと。
でも実はこれ、すごく危険なんです。
・強く押してもらったほうが効く
・強く押してもらったほうが身体には良い
と思い込んでいるひと、かなり危険です。
自分で自分のカラダを壊していることになります。
安いマッサージを受けすぎて
— しみ (@shimi_yurutabi) 2016年6月18日
「強押しじゃないと効かないんですよね」っていう人は、自分で自分のカラダを壊していることに気づいてほしい。
わざわざお金を払ってカラダを壊しにいくって、どんな行為やねん。。
断言しますが、
過度な強押しはデメリットしかありません。
なぜなのか?
東洋医学の国家資格(柔道整復師)をもつ僕が
わかりやすく解説していきます。
※ マッサージとは、按摩マッサージ指圧師という国家資格を持つ者しかおこなうことのできない「医療行為」です。なので駅前などにあるお店は「ほぐし」や「もみほぐし」という言葉を使っています。この記事では知見のない人にもわかりやすいよう、あえてマッサージと書いています。
マッサージも外部刺激である
まず理解しておいてほしいのは、
マッサージというものは外部刺激であるということ。カラダへの、外側からの刺激。
これはたとえば
野球でボールがぶつかった!とか
落下してきた物にぶつかった!とか
満員電車で圧迫された!のと同じで
外側からの刺激(圧力)なのです。
だから当然、
強すぎるマッサージは怪我につながります。
ようは「打撲」と同じようなものですね。
筋肉に強い刺激が入ると、筋肉の繊維(せんい)が壊れて、そこに内出血がおこってアザになったりします。アザまではいかずとも、実はカラダの中では筋繊維が傷んでいるんです。
「もみ返し」と呼ばれるものも、
強すぎる刺激に対して筋肉が反応をおこしてしまったものです。翌日なんかに痛みやダルさがでます。
もうちょっと噛み砕いていきますね。
筋肉の繊維を壊している
身体のなかでは具体的になにが起こっているのか?
「筋肉の繊維が壊れる」とはどうゆうことなのか?
そもそも筋肉というものは、
多くのこまかい筋肉の繊維が集合して出来ています。
一つの筋肉のなかには、
たくさんの細い筋繊維が詰まっているんですね。
こんな感じで。
でね、このこまかい筋繊維が
圧迫されて潰されると、打撲。
部分的に切れたり、完全に切れると、肉離れ。
というものになります。
そしてマッサージというものも
つまりは指や手掌で筋肉を圧迫する行為なので
強すぎると打撲に近いような感じになります。
微細な損傷すぎて本人は気付かないんですけどね。そのときは気持ちいいんです。しかし内部では筋肉が傷んでいます。
そして一番こわいのが、これを続けることによって後戻りができなくなってしまうことなんです。
使えない筋肉の出来上がり
強押しを続けるとどうなるのか。図で解説。
① まず、強押しによって筋肉に微細な損傷がおきます。本人は気付かないけれど、こまかい繊維が壊れるんですね。
② 次に、人間には自然治癒力というものがあるので、壊された筋肉を治そうとします。
③ しかし普通にもどるだけではありません。順応性の高いヒトの筋肉は、前よりも刺激に耐えられる強い筋肉になろうとします。
④ そして、刺激に強い筋肉になって帰ってきます。なので今まで押してもらっていた強さでは物足りなくなります。
⑤ 「もっと強く押してください」
⑥ また筋肉が壊されます。
⑦ ①に戻る
このループを繰り返していくと、
もういくら強く押しても効かない(感じない)
筋肉が出来上がります。
鋼鉄の筋肉ですね。触ったらすぐにわかります。ガッチガチ。もう後戻り不可能です。
加えて、感覚もおかしくなっています。
むずかしい言葉を使うなら
閾値(いきち)が上がっていきます。
痛みが感じにくくなるんですね。
※ 閾値=痛みを感じるときのポイント。沸騰するときの点が沸点なら、その痛みバージョンのこと。
しかもこれは、
筋トレで強くなった筋肉とは違います。
実用性のない、ただ固いだけの筋肉。最悪ですね。
筋肉はゴムと同じで、伸びれば伸びるほど
縮む力が強くなるので、運動能力を発揮できます。
だから柔軟性のある筋肉は良いんですね。
ストレッチなんかも必要なんです。
しかしこのように硬くなると、
まず伸びないので、縮む力もないわけです。
筋肉としての役割が果たせなくなります。
筋トレとどう違うの?
よく「筋トレ」は、
筋肉を壊す行為だといいますよね。
強押しマッサージも筋肉を壊している。。
どうちがうの?
という人のためにサクッと解説。
筋トレの場合
筋トレとは筋肉に負荷をかけて使っていくことで、あえて筋繊維を壊す行為です。
だから筋肉痛になるんですね。
筋繊維が傷んでいる証拠。
じゃあなぜ壊すのか?
それは「超回復」というものが絡んできます。
カンタンに説明すると、
筋肉をあえて壊す → 自然治癒力により回復しようとする → 前よりも大きな力を発揮できる筋肉になろうとする → 栄養と休養をしっかり与える → それらを素に回復していく → 前よりも強い筋肉の完成
ってな感じ。これが超回復の一連の流れ。
この違いわかりますか?
筋トレの場合は、
前よりも強い力を発揮できる筋肉になる。
強押しの場合は、
前よりも強い刺激に耐えられる筋肉になる。
自主的に壊すのと、外部の力によって壊されるのとでは、全然ちがうわけです。
アルントシュルツの刺激法則
最後にこの法則を紹介します。
生理学を勉強している方なら知っているかと。
弱い刺激をすることで神経機能を喚起し、中程度の刺激で神経機能を興奮させ、強い刺激は神経機能を抑制し、最強度の刺激で静止する
つまり、
弱い〜中くらいの刺激で神経機能は活性化し、
強い刺激によって抑制されてしまうというもの。
めっちゃ強かったら機能停止しちゃうよってやつ。
強押し・強もみは医学的に見ても危険なのです。
まとめ
わざわざお金を払って自分のカラダを壊しにいくってどんな行為やねん。。と思ったので書きました。
「じゃあどんな強さがいいの?」
という人へアドバイスをすると、
・技術と知識のある施術者なら、その人にお任せするのがベスト。筋肉を触ればその人に適切な圧力がわかります。
・施術者に恵まれない場合、あなたが正常な状態なら「気持ちいい」くらいがベスト。
・施術者に恵まれない場合、あなたが強押し気味な人なら体感的には「弱め」がベスト。
・「痛気持ちいい」は「痛い」という筋肉からの赤信号がでてるので、あまりオススメはしません。しかしリラクゼーションではなく怪我の治療の場合は、傷んだところを治療しているので別。
安いマッサージのお店だと、素人でも研修を受けてオッケーが出ちゃえば現場に出られるので、このような危険があります。技術者を雇っていたらあの安さで施術は提供できません。
自分のカラダを守るのは自分の責任です。
正しい知識をつけて、健やかに生きていきましょう。
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